銀行からあといくらまで借りることができるのだろうか?
銀行からいくらまで借りても大丈夫なのだろうか?
(銀行からの評判は下がらないだろうか?)


そんなことをお考えの

経営者、経営企画、経理の方いらっしゃいませんか?


このブログ記事では、

まず企業の借入金がどのように金融機関によって評価されるのかを解説し、

その後に国の「借金」を要償還債務という視点で捉えることで、

国の財政状況を正確に理解する方法を提示します!


企業の借入金と要償還債務


企業の借入金とは?その基本概念


当たり前のことから始めていきましょう。

企業は事業拡大や運転資金の確保のために金融機関から資金を借り入れます。

この借入金には、返済期限が設定されており、

返済しなければならない義務が発生します。


この返済額で苦労されている会社さんもいると思います。


要償還債務の定義とその重要性


さて、では逆に金融機関はみなさんの会社のことをどう判断しているのでしょうか?


「債務者区分」と言う言葉をご存知でしょうか?

株式会社エクステンド


これは、銀行のみなさんへの通信簿みたいなもので、

問題がない「正常先」とされれば

ある程度有利な(金利が低い、無保証など)条件で

借り入れなどが可能となりますし、

逆に破綻懸念先等と判断されると、

不利な(金利が高い、経営者保証付など)条件で

借り入れせざるを得なくなります。


債務者区分ってどうやって決定されるの?


これは金融機関ごとによって異なり、

一概に言うことはできないのですが、

大きくは財務状況、収益力、融資の返済状況によって定められます。

『実践的中小企業再生論』(藤原 敬三著、一般社団法人 金融財政事情研究会、2011)



そして、

財政状況に関しては

大方この表の通り判断されていることが一般的です。

純資産(自己資本)がプラスかどうかという視点と

債務償還年数が何年かという視点です。


債務償還年数…??また新しい用語が出てきたな


すみません、つながるので安心してください!

債務償還年数と要償還債務は次の数式で表されます


要償還債務=借入金-正常運転資金-現預金-換価性のある有価証券
債務償還年数=要償還債務/キャッシュフロー

文字だけだとわかりづらいので、少し補足しますね!


まずは要償還債務から。

中小企業の財務チャンネル


このチャンネル非常にわかりやすいので、

ぜひ見て欲しいのですが、

要償還債務は、

簡単に言うと


みなさんが10万円親からお金を借りたとしましょう。

みなさんの借金はいくらでしょうか?

10万円じゃないの?

実はそうとも限りません

何かしらの目的があって10万円を借りたのだと思いますが、

借りたタイミングでみれば

みなさんの手元には現預金が10万円あるわけですよね

そのタイミングで親から「やっぱ返せ!」と言われれば

即時に返すことができるわけです

そのため、現預金が手元にある状態だと

借金は0万円と言うこともできます。


企業も同じことです。

現預金や現金に換価できる可能性が高いもの(資産)

に関して借入金から差し引いたものが

本当の返す必要がある借入金だよね

ということです。


次に債務償還年数についてです。

先ほどの要償還債務をキャッシュフローで

割っていますが、どういうことを意味しているのでしょうか?


これは会社が一年で稼げるお金の何年ぶんで

今の本当に返す必要がある借入金を

返せますか?と言うことを問われています。


仮に要償還債務が100万円だった場合、

一年で20万円のお金を企業が稼ぎだすことができていれば、

5年で全て返済に回すと言う前提であれば

5年で返すことができます。

こういう考え方をしており、

財務の健全性が高いとされます。


ぜひみなさんも要償還債務、

債務償還年数を計算してみてください!

仮に債務償還年数が

10年以下であれば、10年になるまでは

調達余力がある、そう言っていいと思います。


資産と負債のバランス:企業と国の共通点


企業が財務健全性を保つために見るべきポイント


さきほどのポイントをまとめましょう。

企業の健全な財務体制は、

借入金と保有資産のバランスによって成り立ちます。


国も資産を考慮すべきでは?


たまに、「国の借金がー!」という人がいます。

そもそも、政府の借金であるので間違っているのですが、

国の借金もどうように資産の観点を考慮して

考えれば、より実態に即した評価ができるのではないでしょうか?


政府の「借金」と要償還債務の視点


政府の「借金」の正しい見方

さて、では政府のBSを見ていきましょう。

令和5年度の連結貸借対照表はこちらとなります。

出典:財務省


いわゆる国の借入金というものは、

政府短期証券+公債+借入金=1,262兆円ということになりそうです。


一方で資産側を見てみましょう。

現金・預金+有価証券=454兆円もありますね!


ということは要償還債務は差引額の

572兆円なのでしょうか?


https://gendai.media/articles/-/103580?page=3

こちらの記事で、

経済アナリストの永濱氏はこう言及されています。


日銀の出資証券は半分以上、日本政府が持っていますので、

いわば民間企業における子会社のようなものです。

民間企業では子会社も含んだ連結決算をするのが常識であり、


なるほど、連結決算の発想が抜けていましたね。

先ほど、政府短期証+公債+借入金と書きましたが、

では、いったいいくら日本銀行が国債(政府の負債)

を保有しているのでしょうか?

実は、581兆円も保有しているのです!

日本銀行


ということは、ということはですよ!

要償還債務は国においては存在しないのです!

(債権の方が多いため)


さすが日本政府財務状況は、ぴっかぴかなんですね!


まとめ

担当する企業の社長さんのなかには、

「こんだけ借入が多いと、金融機関の目線は厳しいですよね」

そうおっしゃってくる方がいます。


ですが、要償還債務は意外と少なく

気にしすぎているというケースも往々にしてあるのです。


ぜひ、みなさんも金融機関の見方を理解して、

金融機関との交渉が上手い会社に、

そしてまた「国の借金が〜!」

と負債だけに注目して不安を煽る

プロバガンダには騙されないように

してくださいね!

それでは、また!

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シイ

兵庫→愛知→神奈川、東京勤務でコンサルタントをしているシイと申します!強い経営✖️強い国づくりとは何かを考えみなさんと議論できればと思っています、(もちろんたまにゆるいことも!)よろしくお願いします!

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