総裁選でも立憲の代表選でも「経済が〜」とか言ってるけどよくわからないんよね
私もかつてはそうでした
経済の話は偉い経済学者が語るものであり、
私のような庶民には関係ないものだと思っていました。
しかし、読書を重ねていく上で、
現状の経済政策にも、
偉い経済学者が語ることにも懐疑を
持つようになっていきました。
「自分が勤める会社に将来性はあるのか?」
そう考える人は多いと思います。
でも会社に将来性があるかは、
その会社の将来性✖️国力の将来性で定義されるのです。
どれだけ会社の経営が強くとも、
その土台である国力がなければ、
会社も枯れていくのは必然です。
つまり、私たちは国力の将来性も考えていかなければなりません。
この記事では、日本の経済状況を理解し、
その対処法を学べる3冊のわかりやすい本を厳選して紹介します。
2024年最新版として、今の日本経済を直視し、
現状をどう改善するかを学びたい方におすすめの内容です。
それでは、さっそく見ていきましょう!
contents
日本の状況を直視するために読むべき本『安いニッポン』
なぜ「安いニッポン」なのか?
ダイソーの世界の商品価格をご存知でしょうか?
実は100均であるのは日本だけであり、
近くの台湾でも180円で基本商品が設定されています。
日本の物価が安いことは高いことよりいいことじゃん!
たしかに、全ての産業が日本国内で賄えるのであれば
間違い無いでしょう
しかし、是非はおいておいて
グローバリズムの推進というなのものとに、
開かれた交易が進んできました。
そのなかで、日本だけが
低物価=低賃金であれば、
海外旅行がしんどいのはもちろんのこと、
国内の海外製品(iPhoneなど)の購入も
厳しくなってくるのです。
それどころか、
実は魚が食べれなくなるなどの事態
も現実にひきおこりつつあります。
この本は、そういった現在進行中の
現実を様々な事例・インタビューから紹介してくれます
日本の物価と国際比較から見える問題点
先ほども少し述べた魚についてまずは引用してみましょう
BNPパリバ証券の河野龍太郎
チームエコノミストは、
「安い日本が続くと、
庶民の味方だった刺身に、
手が届かなくなる日が来るかもしれない」
と危惧する。
それは本当なのだろうか。
水産庁の年次報告「水産白書」
によると、
「買い負け」
という言葉が話題になったのは、
2003年ごろのことだ。
この頃から欧米やアジアで健康志向が高まり、
和食ブームで高級食材としての魚の需要が急増。
その結果、
水産物が高値で取引されるようになり、
同水準の価格を出せない日本の業者が
買い付け競争に敗れて
思うように魚を調達できないようになっていた。
マルハニチロの池見賢社長は
タイに駐在していたとき、
バンコクに出店している日本の定食チェーン、
「大戸屋ごはん処」に行って驚いた。
日本では約900円のホッケの定食が、
3倍の価格だった。
にもかかわらず、
タイ人の間で一番人気のメニューだったのだ。
タイの成長スピードを間近で感じたという。
新興国での需要高騰は、買い付け価格にも影響を及ぼす。
池見社長は、
「海外の消費者は高い値段を払っても食べようとするが、
日本は安いモノしか求めていない。
魚離れで消費者に買ってもらえないことで、
国際相場で買い付けられなくなっている」
と説明する。
世界的に需要が高まる一方で、
日本だけが賃金が上がらず
購入金額には限りがあるので、
どんどん買えなくなっているという状況ということですね。
これだけでも致命的ですが、
困ったことに問題は食料に留まらないのです。
「喉から手が出るほどほしい」
ある日本の著名スタートアップ幹部は、
インド工科大学人材を渇望する。
以前同社のインターンに参加した
インド工科大学出身者が、
自社アプリの使い勝手を良くする
プログラミングで抜群の実績を残したのだ。
「こんなにも違うものかと驚いた」
だが彼は年収1,700万円を出したアマゾンに入社してしまった。
こんなケースもある。
日本の電気大手も
2018年にインド工科大学での就活に参加したが、
「現地の無名企業に負けた」と悔しがる。
その「無名企業」が提示したのは年800万円で、
自分たちは日本の新卒初任給600万円だった。
なぜなら定期昇給や一律のベアなど、
日本の賃金は横並びが原則。
「日本で上司よりも給料が高いなんて周囲が受け入れられない。
彼らだけ飛び抜けて高い賃金を払う制度になっていない」
(人事担当者)ためだ。
経営の本質は人材であることも多いでしょう。
このように優秀な人材を確保できなければ、
今後の成長の可能性が限定される懸念も存在するのです。
本書は次の一節で締めくくくられています。
「日本の常識」は世界の常識ではない。
そんな認識を突きつける安い日本の一つひとつの現場は、
ミクロでは合理的でもマクロではそうならない
「合成の誤謬」が生んだ縮小均衡に閉じこもっていて
いいのかという疑問を、
私たちに投げかけている。
どんな計画を立てるにも、
組織が動くにも
まずは現状認識、そして危機感の醸成からです。
本書は個人的に2023年で読んだなかで
1番の本でした。
まずは、
日本の傾いている現状を
悲しいですが、直視していきましょう。
日本経済再生の対処法を学ぶための本『奇跡の経済教室 基礎知識編』
経済の基礎知識を理解して対策を知る
こちらの記事でも紹介しましたが、
『奇跡の経済教室 基礎知識編』は、
経済に関する基本的な知識を初心者向けに本当にわかりやすく
解説しつつ、
日本が現在直面している経済政策問題を克服するための
具体的な対策を提示しています。
インフレ?デフレ?
聞いたことあるような言葉だけどなんだっけ?
その程度のレベルの大学生の私でも読み進めることができました!
具体的な政策提言と実践的アプローチ
詳細は先ほどのリンク記事を見て欲しいのですが、
本書では、経済状況に応じて国はどのような
アプローチを取るべきかを明確に記載をしてくれています。
結論は下の画像です。
今の日本はデフレーションの状況なので
右側の政策をとればいいということになります。
せっかくなので自民党総裁候補のメンバーの
何人かの政策を見てみましょう。
小泉進次郎氏
まずは色々話題の小泉進次郎氏。
お父さんの小泉純一郎氏の政策を
色濃く受け継ぎ「聖域なき規制改革」と謳っています。
その時点でアウトですが、
解雇規制については見直しで、
これは解雇をしやすくするわけではないと
討論番組で何度もおっしゃっているのですが、
だとしても大企業が解雇予定の人材に
リスキリングをする動機づけがどこにあるのだろうか?
(というか、業績がきついから解雇するわけであり、
そんな余裕はないはず)
と思ってしまいますね。
あと何より個人的に許せないのが
年収の壁撤廃ですね。
103万円以上は所得税が課税され始めるのは
アルバイトなどを経験していればご存知の方も多いと思います。
この調整のせいで個人が稼げない
→だからそもそも撤廃してしまおうという発想のようですが、
これはシンプルな増税です。
仮に個人にもっと稼いで欲しいのであれば、
国民民主党の公約のように、
103万円をもっと引き上げればいいだけの話なのです。
討論会でもボロが出てきてしまっていますが、
なんとなくスピーチが上手いから、若いからではなく、
何を言っているかを見極めることができるようになりたいものですね。
河野太郎氏
世論調査でもほぼ総理の芽はないと思うので、
割愛しますが、
基本的に論外です。
特に、「規律ある財政」というのは
この失われた30年間を何も分析できていないということになります。
なぜ論外なのかはぜひ本書を読んで考えてみてください
規制改革、財政規律
この辺りの標語は「もうええでしょ〜〜!!!!」
石破茂氏
次に決戦投票に残る確率が高いとされる
石破茂氏です。
この方は「経済あっての財政」
「デフレ脱却最優先の経済」
「経済を冷やさない速度での正常化」
など正しい政策を述べているように感じます。
しかし、
私の勤める企業にも何度か
講演を石破氏はしにきてくれているのですが、
どうにも緊縮財政っぽいんですよね。
法人税増税をこの前の討論番組でおっしゃっており、
これは賃金上昇圧力になると思うので
いいと思うのですが、
財源をどのように考えているかは今後注目していきたいと思います。
高市早苗氏
私は自民党員でもなんでもないので、
投票権はないのですが
今度の自民党総裁に
一番推しているのは高市氏です。
なぜなら明確に「戦略的な財政出動」
つまり政府が投資を行うことを
出張しているからです。
またどこかで言及したいですが、
アベノミクスの失敗は
「機動的な財政出動」
が不足していからではないか
ということが言われています。
今度こそ、「合成の誤謬」
解消のために
まずは政府が投資をしていって欲しいものです。
高市さん応援をしております。
ただただ、
1点懸念があるとするならば
「増税をしない」と発言をしているものの
「減税」については全く触れていません。
消費税減税、間違いなく景気が上向く施策を
総理になられてから検討をお願いしたいと思います。
このように、本書を読めば
各候補が述べている経済政策を判断する
材料を手に入れることができます。
ぜひ、一緒に考えていきましょう!
現状の経済状況の真因を深掘りする本『ザイム真理教』
経済政策の失敗とその真因
一般的に企業をコンサルしていても
正しい方向性、打ち手というものは現場社員は
わかっていることは多いです。
しかし、実際に実行するとなると
様々な障壁が存在をします。
目先の利益の追求、
上司への忖度、
企業文化
その要因は様々です。
『ザイム真理教』は、なぜ正しい経済政策を
政府が実行できなかったかという
真因を解説してくれています。
現状の問題の根本がどこにあるか
を考えるきっかけを与えてくれるのです。
日本が抱える根本的な真因の追求
本書では前書きにこう記載があります。
安倍政権の最終年にあたる
2020年度の1年間で、
日銀は46兆円も国債保有を増やした。
それでも、インフレどころかデフレが続いた。
(中略)
そうしたことを考えれば、
消費税率を5%に下げることの財政負担は
14兆円にすぎないから、
その税収不足を国債でまかない、
それを永遠に続けることは全く問題ないことがわかる。
私にとってはとても簡単な仕掛けなのだが、
なぜか多くの人には伝わらない。
いったいなぜなのか。
私は、最大の原因は、
旧大倉省時代を含めて、
財務省が40年間不況を続けてきた
「財政均衡主義」
という教義が国民やマスメディアや
政治家に至るまで
深く浸透してしまったためだろうと考えている。
国民全体が財務省に洗脳されてしまったのだ。
洗脳とは穏やかじゃない表現を使いますね…
ですがそれほどまでに確かに
財政を健全化すべきという神話は信じられている気がします。
もう少し続けましょう。
本書では、なぜザイム真理教が生まれ、
それがどのように国民生活を破壊するのか
というメカニズムを述べていこうと思う。
しかし、読者の理解を得るのは、
正直言って、相当困難だと思う。
2021年10月に朝日新聞が衆院選を前に行った
世論調査で、
「一時的な消費税を引き下げる方がよい」
と答えた人は35%にすぎなかった。
残りの人は、
消費税はそのまま、
あるいは増税してもよいと考えている。
つまり、単純計算だと、
いまやザイム真理教は
8000万人以上の信者を獲得していることになっている。
その巨大なカルトに挑むのは、
無謀かもしれない。
それでも私は挑むしかないと思っている。
そうしないと、
大切な日本と日本人が壊れてしまうからだ。
著者の森永氏はこう述べられていますが、
実は潮流は変わってきている可能性もあります。
2023年の時事世論調査では、
消費税減税に賛成が57.7%であったという
調査もあります。
少しづつ少しづつザイム真理教が誤っている
のではないかとい認識は広まっているのです。
ぜひ「財政均衡主義」
のどこがどのように間違っているか
を本書を読むことで理解していきましょう!
財政政策に関する知識のアップデートが私たちにも求められています。
まとめ
今回はわたしのなかでとっておきの
経済に関する本を紹介しました。
知識をアップデートし、
どのように政治を動かしていくか
考えていきましょう!
そしてこの本もおすすめだよ!
などがあればぜひコメントで共有してくれると
嬉しいです、
それでは、また!