「なんとなく日々を過ごして、気づけばまた1年が終わっていた。」
そんな感覚に心当たりはありませんか?
多くの人が”流されるように”生きてきますが、
それは果たして本当に望んだ人生なのでしょうか?
今回紹介する『人生の経営戦略-自分の人生を自分で生きるために』は、
自分自身の人生を”会社”のようにマネジメントし、
戦略的に生きるという視点を与えてくれる1冊です。
この記事では、筆者が感じる危機感から始まり、
書籍のエッセンスを紹介しながら、
なぜ今”戦略的生き方”が求められるのかを考えていきます。
contents
1.筆者の懸念_成行任せの人生でいいのか?
成行とはなんでしょうか?
ここでは、「このままの状態が続くこと」と定義しましょう。
筆者の課題意識として、
人が「成行」のまま人生を過ごしている、
ゆえに、日本の衰退が起きているのではないか
という衝撃の推察があります。
一部引用してみましょう
現在の日本では、なにかあるとすぐに政府が悪い、
企業が悪いと言った批判が巻きおこりますが、
社会の衰退は何よりも、
「個人の活力の喪失」
によって起きるということを絶対に
忘れてはなりません。
歴史家のアーノルド・トインビーは、
彼の主著『歴史の研究』において、
社会衰退の最大の要因として、
『自己決定の能力の喪失』
というテーマを論じています
私も結構政府に懐疑的ですが、
そういった視点もあるのかとハッとさせられました。
実際、米ギャラップの調査によると、
仕事への熱意や職場への愛着を示す「エンゲージメント率」
が、日本は145カ国中最下位の5%で、4年連続で
世界最低水準となっているといいます。
https://president.jp/articles/-/78563?page=1
どうすればこの状態を脱することができるの?
2.基本的な人生のルール_時間を資本へ転換せよ
本書が提示してくれる解の1つ、
それがタイトルにもある「経営戦略」です。
私もコンサルタントの端くれなので、
経営戦略が何か?というのは常に考えているのですが、
答えの一つは「ポートフォリオを再編成すること」だと思っています。
例えば、最近発表された中期経営計画のなかでわかりやすかったのが、
旭化成の事業別の営業利益推移です。
明確に祖業であるマテリアルの比率を下げて、
ヘルスケアと住宅事業を伸ばすことを謳っていることがわかりますよね!

このように成行のままでは絶対に変わらない
ポートフォリオ(リソースの使い方)を
意図的に変えていくことが戦略だとおもっています。
本書は人生という長期プロジェクトの長期目標を
以下のように定義しています。
時間資本を適切に配分することで
持続的なウェルビーイングの状態を築き上げ、
いつ余命宣告をされても、
「自分らしい、いい人生だった」
と思えるような人生を送る

時間を「人的資本」に転換するとはどういうことか?
それは、良い学びや良い経験に時間を投資していくということです。
休日だからといってスマホゲームに熱中していませんか?
(私もそういう日もあります…)
ただ、それをずっと続けてしまうと、
資本が実らない結果になってしまうので、
意識的に時間の使い方を変えて、
人生の質をどう高めるかということにフォーカスすべきということが
本書では語られています。
3.印象に残ったこと
本書で他に印象に残った経営と人生の関係についてもまとめておきます。
人生のKPI
意外に思われるかもしれませんが、
創造性に関する過去の研究の多くは
共通して
「量が非常に重要」
だということを示しています。
創造性は、
「最も多くのアウトプットを出している時に、
確率的に高まる」のです。
ここから人生のKPIが一つ導かれることになります。
それは、「打率」ではなく、
「打席数」ということです。
ちなみに、KPIとは社会人の皆さんなら日々追われているかもしれませんが、
目標を達成するために負うべき指標です。
営業の皆さんなら新規契約件数などノルマに追われることも
あるでしょう。それです!
本ブログで考えれば、
ヒット記事を産んだ割合ではなく、
地道にガラクタを量産し続けること、
デートで考えるのであれば、
付き合える確率ではなく、
デートに行った回数を意識すること
そういった試行回数を高めることが
求められるのです!
まとめ_あなたは”人生会社”の社長としてどう舵をとるか
『人生の経営戦略』は、
「人生における戦略思考」という視点を与えてくれる実用書です。
経営戦略の理論をベースにしながらも、
実生活への応用がしやすく、
「自分の人生に責任を持つとはどういうことか?」を読者に問いかけていきます。
人生は、放っておけばどこかへ流されていくもの。
しかし、
本書が教えてくれるのは、
「自分で考え、自分で決め、自分で動く」ことの大切さです。
今日が、あなたの”人生経営”の第一歩。
まずはこの一冊を手にとり、
戦略的な生き方のヒントを掴んでみてください!
それでは、また!